コロナ禍でも人時生産性2倍! 美容室の生産性を高め、美容師の働き方向上の仕組みを発信!
4店舗の美容室経営者:川崎元晴ブログ
信頼と安心を売るとは?
サロンのブランドとは、お客様への『信頼と安心』の提供を行う事ではないでしょうか。
信頼と安心とは、お客様の期待値を下回らない。
というか、お客様の期待値を上回ることだと思います。
その為には、そもそも、ご来店頂くお客様が求めているものと、
サロンの提供する価値が、一致していないと期待に応えることは出来ません。
そして、その価値を、常に安定してお客様に供給ができていることで、
お客様から信頼と安心を得ることが出来ます。
この『価値の安定供給』を行い続けることが、意外と美容室では難しいのです。
たぶんサービス業全体でも言えることではないでしょうか?
なぜなら、人の対応力によってお客様への価値提供の質が変わりやすいからです。
その人の能力やスキル、態度や表情、感情に至るまで自分本位でお客様に対応をしていると、
お客様が受け取る印象は、人によって変わってしまいます。
同じ人だとしても、日によって変わることもあります。やはり人間ですから。
しかし、お客様からしてみれば、人によったり、日によって、求めるサービスの質が変わっていては、
信頼して通い続けたいとは思えないはずです。
例えばマクドナルドやスターバックスコーヒーなど、当然ですが大手のブランドは、
期待を裏切らない安定した水準で、サービスを届ける仕組みがあります。
ディズニーランドもそうですね。
1万人以上が働くアルバイトの方が、常にゲストの期待を裏切ることなく、それぞれが自立した意志で
仕事にあたっていけるのは、まぎれもない高い価値での水準が存在するからです。
ゴールドスタンダードとは?
高い価値水準を標準化した仕組み、これを弊社では『ゴールドスタンダード』と言っています。
弊社には、スタッフみんながお客様が求める価値を提供する際に、安定した水準のサービスを常に、
ご提供する為のマニュアルを作っています。
弊社の『カスタマージャーニーbook』は、常にご来店からご退店、そして次回ご来店頂くまでの間に、
弊社がお客様に提供する価値を標準化して、常にカスタマージャーニーに沿った対応を、
全てのスタッフが出来るようにするためのものです。
ある高級レストランに、ある記念日に夫婦で食事をしに行ったとします。
例えばそこは、以前から気になっていた、有名なレストラン。
何かの時には、一度行ってみたいと思っていたとします。
二人で5万円のフルコースだったとして、高い期待を持って行ったのですが、
結果、その期待値を上回るものではなかったのです。
なぜならば、食事の味は最高でした。
しかし、スタッフの表情や態度、接遇力、またお店の雰囲気などが期待していた世界観と違っていたら、
総合評価として、仮に合格点(また行きたい!)が80点だとしたら、
味が100点でも、その他が60点であれば、
不合格になってしまいます。
美容室でも言えることですね。
いくらスタイリストの技術が上手でも、お店やアシスタントの対応力にムラが有ったり、水準が低ければ、
次もそこへ行こうとは思いません。
ましてや、それがお店のブランド力として定着をしていってしまいます。
それぞれの人が、お客様に提供したいサービスを、それぞれの対応力でこなしていくのではなく、
誰もが同じサービスを提供できるように、”うちのおもてなし” を、
言語化して、仕組みにしたものを、サロンでつくっていく事が、必要ではないでしょうか?
働く人が、自分以外に増えていけばいくほどです。
自分にしか出来ないという価値もある
逆を言えば、一人サロンであれば、自分の対応力がそのままブランドになりますし、
それが、お客様にとって合格点であれば、セルフスタンダードで成り立つのです。
そして、日本人の特性として、一つのことを深く掘り下げて追及することで、
誰もマネが出来ない、繊細なものを作り出すという文化があります。
なぜなら日本には、モノづくり大国として、世界的に高い水準の伝統文化がたくさん存在しています。
美容師、理容師という職業も、技術職ですから極めることによって人との差別化に繋がります。
『あなたでないと出来ない仕事』になるわけです。
だから、そういう所には人が集まります。
簡単に他の人にはコピーが出来ない。だから価値が上がるのです。
それは、素晴らしい事ですが、その分他人に教える(教育)時には時間もかかりますし、
同じように出来るまでのコストは、かなり必要になります。
そして、スケールさせることは、難しいでしょう。
つまり、どちらが正解ではないという事です。
自社がどのようなブランドを作り込んでいくかによります。
必ずいつかはマネされる!
ただ例えば、ジャパンアズナンバーワンと言われた時代、日本の家電メーカーは、
世界で高い水準を誇っていました。
特に液晶テレビなどは、日本製品に勝るものは無かったはずです。
しかし、世界ではどんどんデジタル化が進み、今まで特定のところでしか製造が出来なかった商品が、
簡単にコピーできるようになったのです。
時代が変わり、アナログからデジタルに進化をし、暗黙知だったものが次々にコード化され、
形式知へと言語化され、それに伴いマネしにくいものが、再現しやすくなったのです。
そうなると、家電業界では、世界の他メーカーが日本製と同じレベルのものを、
日本よりも安く大量生産出来てしまった。
それに伴い、市場はどんどん奪われてしまったのです。
これは、例えば美容業界などでも同じことが言えるかもしれません。
昔ながらの職人稼業として仕事を捉えていると、あっという間に時代の変化に伴い、
同じような価値を、隣のサロンが、より安く提供してしまうかもしれません。
そうなってしまうと、お客様を持っていかれてしまいます。
信頼と安心とは、常に求められる価値を安定供給できることです。
その為に、高い水準での価値(サービス)をサロン全体で標準化する為の、
仕組みが必要ではないでしょうか?
自社独自のゴールドスタンダードを、言語化していってみてはいかがでしょうか?