職人いらずの仕組みをつくる

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コロナ禍でも人時生産性2倍! 美容室の生産性を高め、美容師の働き方向上の仕組みを発信!
4店舗の美容室経営者:川崎元晴ブログ

情報伝達のスピードが格段に速くなった

私が理容師として勤めていた頃は、技術を習得して一人前になるまでに、7年~8年はかかる時代でした。
のれん分けや、実家の稼業を継ぐまで、
または、独立できるまでには、10年は修行だと言われる時代だったのです。

寿司職人や大工さんも同じような職種だったと思います。
いわゆる『職人稼業』と言われる職種です。

いまでは、美容師さんが美容学校を卒業してから、スタイリストデビューするまでに、
早ければ1年~2年で到達することもできます。

なぜこんなにも早くできるようになったのか?
それは、情報の伝達スピードが格段に速くなったからです。

昔は、師匠の技術を後ろからこっそりと観て、学ばなければいけませんでした。

簡単には、師匠の技を教えてもらえるわけがなかったのです。

最初の数年は、下積み期間があり、ただただ雑用をすることに追われる日々です。
そんなこんなで10年は、一人前になるまでに必要だったのです。

それが今では、学びたい技術は、こっそりと後ろから観察をし続けなくても、
そして、わざわざ講習に行かなくたって、
スマホ一つで、学ぼうと思えば習得できるような時代になりました。

自宅に居たって、様々な技術や知識は、オンラインやYouTubeで学べてしまいます。

寿司職人も、大工さんも、そして美容師も、必要であれば1年から2年で技術習得は可能なのです。

それが、情報伝達のスピードが格段に上がり、誰もがいつでも欲しい情報を手に入れることが可能になった、
テクノロジーの進化のおかげなのです。

私たちの価値観は、大きく変わりました。

それがいいとか悪いとかの問題ではありません。
自然の流れなのです。

そして、今の時代だからこそ、
その浮いた時間や労力を、別の何に費やすかが大切ではないでしょうか?

まわりや先が見えていないことへのリスク

日本を代表する電機メーカーの『シャープ』は、液晶プラズマテレビで世界一になりました。

『世界の亀山モデル』とまで言われた、シャープの液晶パネルの性能は、世界ナンバーワンだったのです。

そのシャープがなぜつぶれたのでしょうか?
※正確には、台湾企業の鴻海(ホンハイ)の参加になりました。

それは、性能が、ずば抜けていた液晶パネルも、いつしか世界のライバル企業に追いつけ追い越せで、
差が無くなってきました。

同じような性能の商品を開発され、しかもそれを大量生産することが出来、高額でシャープの製品を買わなくても、もっと安い価格で同等の製品を買うことが出来るようになったのです。

そうなると、消費者はなるべく安いところで買うようになり、いつしかシャープというブランドの価値は、
無くなっていく事になります。

多額の投資や、自社製品への過剰な自信、市場や時代の流れを見誤ったことによる、衰退であったのではないでしょうか?

たとえ、自社商品がどこよりも優れた唯一のものだったとしても、いつかはライバル企業に追いつき追い越されてしまいます。

だからこそ、新しい商品開発に着手していかなければいけませんし、
流れを読み、誰と手を組むかを考え、キャッシュフローのバランスを最適化し、次の一手の準備をしておく必要があると思います。

ひょっとするとシャープはそれを怠っていたのかもしれません。

この力に依存をしない

モノづくり大国の日本は、島国ゆえに資源が少ないです。
だからこそ、モノを作ることに長けている民族だと思います。

しかし、多くの伝統工芸が、後継者不在で無くなっていくというニュースを見たことがあります。
職人技の誰もマネが出来ないレベルの技術も、
後を継ぐものが居なければ、その技はいずれ無くなってしまいます。

世界一だったシャープの技術も、伝統工芸の職人の技も、そして私たちの美容師の技術も、
この情報化社会の中で、いかに早く簡単に誰もが再現できるようなシステムを開発して、
素晴らしいものが、再現できる仕組みにしていかなければいけません。

つまり、素晴らしい技術やサービスを、
誰もが出来て、ひろがるような仕組みやシステムがなければ、
いずれは衰退し、無くなってしまうという事です!
この力に依存してはいけないのです!

昔のように、直接師匠が伝授をしないと学べないとか、
その技術の虎の巻(マニュアル)は、誰かの頭の中に入っているとか、
完成度が高いからこそ、壊すこと(変化させること)が出来ないとか、
簡単にはまねが出来なさすぎるようなものでは、イノベーションと継承を繰り返すことは決して出来ません。

誰かでないと教えることが出来ないもの、
それでいて、学ぶのに時間がかかるもの、
そして、教える為のマニュアルが存在しない(明確でない)、
誰かの頭の中にあるので、感覚で教えていく、
これらはすべて、いずれ消滅していきます。

現代ではテクノロジーが進化を遂げて、AIが、人間にしかできないような細かなことまで、再現させることが可能になりました。

またネットなどにより、情報伝達のスピードが格段に速くなり、私たちは、どこにいても簡単に欲しい情報は手に入ります。

だからこそ、これらを活用して、
今までかかっていた時間や労力を、大幅に削減し、
短時間で結果をだし、その結果をだれもが再現しやすく、シンプルなオペレーション化が実現するまで、
作り込む必要があるのです。

それが形になれば、仕事の効率と性能と成果は、格段に飛躍をしていきます。

いつも、変わらぬサービスを提供し続けることの難しさ

お客様が求めているサービスの最高峰とは、
いつでもだれがやっても、いつも通りのクオリティのサービスが、受けられるという事ではないでしょうか?

行くたびに、違う人が担当し、仕上がりに差があり、サービスのレベルが変わるようでは、
信頼も安心も、することが出来ません。

これでは、良いブランドとは言えません。

最も難しいのは、いつも変わらぬサービスを提供し続けることなのです。

決まった人でなくても、再現できること。

それこそが一流のサービスではないでしょうか?

持続可能な社会
持続可能は企業
持続可能なサービス

これらは、時代や環境の変化に合わせて、本質的なものを守りながら、仕組みやシステムを
その時代に合わせてカスタマイズしていく事で成り立ちます。

時代が変わっているのに、昔のやり方を続けるということは、破滅の道を歩くようなものです。

属人的に、人の手作業に頼って依存していると、その人が居なくなった瞬間に、まわりの状況は、
壊滅状態に陥ってしまいます。

いかがでしょうか?

マネされることのできない唯一のものとは

私たち自身も、年々歳を重ねるうちに、体力は低下をして衰えていきます。

だからこそ昔のように、気合と根性で何とか乗り切るなんてことは、不可能になっていきます。

なのに、ずっと同じやり方で、なんとかやり通そうとしていませんか?

歳を重ねれば、若い頃とは違う働き方をしていかなければ、長く仕事を続けることは出来ません。

その為には、時間や労力をかけなくても、一定の成果を出すことが出来る、生産性の高い働き方に進化させていかなければいけないのです。

また美容師で言えば、長年お客様がついてくれていたとしても、
年齢と共に、やり方を変えていかなければ、
いずれ技術力は、まわりに追い越され、流行にもついてけず、仕事のクオリティは、成熟期を迎えます。

それは、まるでシャープのプラズマテレビのようにです。

例外はありません。

では、どうしたらいいのか?
技術を売るのではなく、他者にはまねができない、他から類似商品が生まれない、
自分にしかない唯一のものを、お客様に提供するのです。

それはなんだと思いますか?

ナラティブストラテジー(物語戦略)

技術や商品は、いくら他がマネできない、圧倒的に高性能なものを開発したとしても、
いずれは、まわりに追いつかれます。

そして、追い越されていくでしょう。

ただ、その製品を開発していく過程で、最初の自分たちの”想い”や、
開発に至った瞬間から、製品が完成し、お客様に届き、成長していくまでの、
”プロセス”や”体験してきた”ことだけは、誰にもマネできるものではありません。

ましてや、マネをしようとライバルたちが模倣に走りますが、表面的なものはマネができたとしても、
そこへ至るまでのプロセスに要した時間と労力に対する、体験の価値だけは、決してマネ出来るものでは
無いのです。

『あなたから買いたい』というオリジナルブランドを強化していく為には、
このストーリー(物語)を語っていく事が重要なのです。

そして、ここを消費者は求めているのです。

そこが、ブランドの核心になるのです。

だからこそ、自社の強みを活かした商品として、
他社(ライバル企業)との違いが明確になることで、
市場に提供する価値が生まれるのです。

それが、唯一無二の商品となるのではないでしょうか?

常に考えなければいけないことは、
他社と追いつけ追い越せが可能になるようなものを、売り続けるのではなく、
唯一無二になるオリジナリティ化できるものを商品開発するのです。

そして、
それを、再現性のあるものに仕組み化をして、
だれもが継続して行えるようにしていくのです。

それを常にアップデートさせながら、常に市場(お客様)に答え合わせをさせて頂き、
変化と仕組み化を繰り替えていくのです。

このことを理解しているだけで、その瞬間に市場(お客様)から求められていることに、
リアルかつスピーディーな対応が可能になるのではないでしょうか?

 

 

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人時生産性を2倍にした高単価メニューの仕組み