美容師の離職率を下げる為に!

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コロナ禍でも人時生産性2倍! 美容室の生産性を高め、美容師の働き方向上の仕組みを発信!

4店舗の美容室経営者:川崎元晴ブログ

理美容室の人財育成、今と昔

理美容業界はその昔、『修行』、『弟子入り』、『一人前』、『のれん分け』など、
職人稼業と徒弟制度の世界観が色濃くあって、
コンプライアンスも今ほど厳しくない時代でした。
その為、労働環境も決して良いとは言えない、業界だったのではないでしょうか。

それでも、親方(オーナー)に一人前の職人に育ててもらうのだから、文句も言わず、
立派に職人として認められるまで、10年近く勤め上げて、
その先は、自分で独立するか、実家の稼業を継ぐか、どちらかがセオリーだったと思います。

しかし時代は変わり、今では労働環境も、人材教育のやり方も、雇用関係すらも、様変わりしました。

そして、今美容師を目指す世代の方たちは、
『Z世代』と言われ、
私たちの頃とは全く違う環境で育ち、違う価値観を持っています。

どちらが良いという事ではなく、
これから経営をしていく上では、
そういった、世代間ギャップによる、
様々な価値観を受け入れながら、より良い雇用環境を作っていかなければ、
企業として、求職者の方に、
あそこで働きたいと思ってもらえるサロンにはなれないと思います。

育成型サロンのジレンマ

また、美容師としてサロンに入社しても、3年~5年以内に離職をして、美容師をやめてしまう人の数は、
他の業界と比べてもかなり高い比率です。

せっかく美容学校を卒業し、美容師免許を所得したとしても、スタイリストになる前に辞めてしまう人が多いのです。

美容学生を新卒求人して、採用し、一から教えてスタイリストに育て上げていくといった、
育成型の美容室はとても多いと思います。

中途のスタイリストを中心とした雇用や、フリーランスの美容師と契約関係で成り立っている面貸しサロンや、委託サロンも増えてきている中で、
育成型の美容室は、なかなか生産性を上げることが難しいのではないでしょうか?
採用しては、途中退社の繰り返し、
ようやく育ったと思ったら、独立していくという事もその要因の一つだと思います。

そのような中でも、様々な取り組みをされているサロンも多いと思います。

大家族主義からの脱却

一昔前で言えば、『大家族主義』『家族経営』というワードがもてはやされていました。

社員と経営者の距離感を縮め、他人ではなく、家族のように接して、
親が子に教えるように丁寧に関わり、
絆と精神性を重んじながら、時間と労力をかけて育てていく。

とても大切で深い愛情を持たなければ出来ないことだと思います。

しかし、昔のような
世の中的にも、ものが無い時代、情報も今のように身近に手に入る時代ではなければ、
寝食を共にして、躾や精神性からしっかりと教えて、
勤めている職場が、本当の家族のように自分を育ててくれて、
経営者を、親のように感じて奉公してくれるといったこともあったと思います。

しかし今の時代は、雇用関係がそのような状態ではなくなりました。

そもそも、社員はそのような環境を求めていません!

また、経営者を親とは思っていませんし、
職場を、家や家族とは思っていません。(あたりまえですが)

そして何より、育てたのだから会社に恩を感じて、
頑張ってくれよという、
こちら側の『恩を仇で返すなよ!』と言った気持ちは、

通じているとは思いますが、より良い雇用関係という点で言えば、
そこではないのかもしれません。

経営者もそんなつもりは、もちろん無いのですが、
なにせ、そういった時代に育ち、そういった環境で仕事をしてきたので、
どうしてもその感覚が、しみついて残っているところもあるかもしれません。

社員との適切な距離感

この、社員と経営者との距離感が非常に大事なのです。

労働環境と、距離感と、
そして、その会社で働くことによって、社員の人生にどんなメリットがあるのか?

社員の人生にメリットがあるかとは、
社員が求める価値観上に、会社が提供する環境がマッチしているかどうか?
ではないでしょうか。

何を大切にしているのか?
時間的余裕なのか?
給与をたくさん稼ぐことなのか?
やりがいや自己成長なのか?
独立支援をしてくるかどうかなのか?

それは、人それぞれです。

そして、自社がどんな価値を提供できる会社なのかもまた、会社によってそれぞれです。

つまり、お客様とお店の関係性と一緒で、
社員の求める価値観と会社の提供する価値(労働環境)が、
一致していることが大切です!

美容業界は、求人が難しく、なり手が少ないので、
応募に来ると概ね採用をしてしまうサロンは多いと思いますが、
どんな人材を求めているか?
その理想の人材像にどんな環境を提供できるのか?

ここが明確になっていると、採用してすぐに退職、また求人費をかけて募集、
ようやく採用して、またすぐ退職の繰り返しが少なくなると思います。

そして、他店よりも良い労働環境を提供することが大切です。

家族主義が悪いと言っているわけではありません。
そういった環境を求めている方も、たくさんいると思います。
そういう方は、ベストな職場が見つかれば、辞めることは無いと思います。

大切なことは、需要と供給が合っているかどうか?

誰をバスに乗せるのか?

どんな環境を作ることが、双方にとって良い関係性を築くことが出来るのか?

この辺りを、改めて整理して作り込んでいく事が、私達理美容室の雇用環境には必要ではないでしょうか。

弊社でも、毎年美容学校卒業の新卒者を採用しています。

そして、この新卒者を雇用し育て、業界の次世代の人財として成長していくことにやりがいも感じています。

時間と労力はかかりますが、それ以上に弊社の企業文化を受け継いでくれる人財を、
一人でも多く創る為に、頑張っていきたいと思います。

しかし、昔のような『家族主義』からの脱却を意識して、
これからの求められる雇用環境に取り組む必要もあります。

私の会社は、どんな人に来てほしいのか?

だれをバス(自社)に乗せるのか?
そして、このバス(自社)はどこ行きなのか?

この辺りを明確にしていかないといけないですね。

そして、時代に合ったよりよい雇用環境に挑戦していく事が、
今、経営者である私達に求められていることだと思います。

 

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人時生産性を2倍にした高単価メニューの仕組み