美容室の採用戦略について

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コロナ禍でも人時生産性2倍! 美容室の生産性を高め、美容師の働き方向上の仕組みを発信!

5店舗の美容室経営者:川崎元晴ブログ

新卒採用と中途採用の違い

美容室の採用課題について、考えてみました。

美容師さんを雇用する場合、
美容学校を卒業する『新卒採用』と、
別のどこかで美容師として働いていた方を雇用する
『中途採用』があると思います。

昨今では、雇用型ではなく、
フリーランスとなって働く契約型もあります。

働き方が多様化しているからこそ、
美容室経営においては、社員の定着と、
採用強化はどこも課題ではないでしょうか?

その為、採用戦略をしっかりと考えて、取組みたいところです。

弊社では、中途採用のみの業態サロンと、
育成型に特化した業態サロンがあります。

明確に分けて事業を作っていますので、
採用の仕方も分けて行っています。

広告の見せ方から、導線、発信場所まで
全て分けています。

“求人したい層(ターゲット)“が全く違うので、
当然ですが、打ち出し方は同じではいけません。

そこから、気がついたことがあります。
新卒採用(高校生・美容学生)も、
中途採用(すでに美容室で働いていて、転職を考えている人)も、
それぞれ、求職する時のニーズや感情が違います!

とういうことかと言うと、

新卒の方のニーズは『憧れ』です。

転職(中途)の方は、『悩み』です。

転職希望者の悩みとは?

中途採用の方を募集していて思うのですが、
転職を考えている方は、どんなニーズを持っているのか?

簡単に言えば、今の職場の『働き方』に満足していないわけです。

  • もっと稼ぎたい
  • 休みが少ない
  • 残業が多い 働く時間が長い
  • 休みたい時に休めない
  • やりたくないことまでやらされる
  • ここにいても将来不安だ
  • 人間関係がよくないので、転職したい

など、転職理由はたくさんありますが、
しかし、大きく分けると、
稼ぎか、労働時間か、休日か、人間関係か、
と限られます。

そして、その大半は現状に満足できていない
『悩み・困り事』からです。

悩みから、転職を考えているからこそ、
その悩みを解決できる環境を提供できれば、
働きたい方を集めることは出来ます。

そして、その悩みに対して、どこよりも良い環境を用意できれば、
あとは、そのニーズを持った求職者との接点を考え、
そこに向けて、自社の提供できる価値を伝えます。

悩みに対して、特化すればするほど、
その悩みを持った人には、刺さります!

雇用できれば、
あとは、その『環境』を守り通せば、
離職はしにくくなります。

他店で美容師として働いた経験があり、
そこで、何らかの悩みや困り事を感じて、
転職をしようとした人が、
以前よりも、上回る環境を得ることで、
転職してよかったと感じてくれます。

弊社では、
ワンオペレーションで、完全個室、フレックス制度、
他のスタッフと無駄な摩擦をしなくても
働ける環境を作れているので、

前職で、人間関係や育成で疲れた方にとっては、
同じようなストレスを感じることがなく働くことができ、
感謝されます。

悩みがあり、解決できる環境を提供することで、
需要と供給の関係性が合致し、良い関係性が生まれます。

そして、
その環境を守り続ければ、離職も少なくなります。

新卒学生には、憧れられるブランドづくり

新卒者の方は違います。
働くことに、困ったり悩んだりしていません!

そりゃそうです。
社会人として働いたことがないのですから。
働くことに、『不安』は感じているでしょうが、
一度も、働いてみて、“困った“という経験がないのです。

あるのは、『憧れ』です。
職業や職場に対する、理想の憧れ!

  • 憧れの美容師さんのようになりたい!
  • 憧れの美容室のスタッフとして活躍したい!
  • クリエイティブな職業で活躍したい!
  • たくさんの女性から支持される人気美容師になりたい!

そして、私たち美容室は、
学生ガイダンスなどで、
学生に向けて一生懸命アピールをします。

・クリエイティブなブランド
・マツエクや着付けなどもできるサロン
・おしゃれな雰囲気のサロン
・独立を支援してくれるシステムが揃っている

など、学生が憧れているものに対してアピールをします。

何としても採用まで漕ぎ着けたいので、
できるだけ多くの『憧れ』ていることに対して、応えようとします。

どこのサロンもそうなので、
できるだけ、その憧れに対して、
サロンのブランディングを尖らせていかないと、
学生を惹きつけることはできません。

しかし、そうやって雇用した新卒者の方々は、
その先どうなっていくのでしょうか?

憧れが強ければ強いほど、憧れに近づいた先には、
自分でもやりたいと思うはずです。

挫折経験がなく、憧れを持っていれば、
必ず一度は、他を見たくなるものです。
自分の可能性を見つければ、チャレンジしたくなるものです。
つまり、いつかは飛び立ちます。

憧れが強ければ強いほど、
そしてサロンが、
その憧れに応えようとすればするほど、
その先には、卒業があるのではないでしょうか。

しかし、それが悪いわけではありません。
素晴らしいことだと思います。

弊社では、育成型ブランドでの拡大を目指してはいません。
※あくまで一つに考え方です。会社によって考え方は様々です

新卒雇用でも、長く転職せずに弊社で働いているスタッフもいます。
その方々には、できるだけ他のサロンよりも
良い環境を作ろうと努力をします。

そして、育成型だからこそ、
弊社で育ったスタッフは、弊社の価値観や理念が浸透しているので、
強い組織力を作ることはできます。

しかし、多様化している現代では、
よほどの影響力を企業が持たないと、
育成型で拡大をしていくことは難しいと思っています。

ましてや、就職先の選択肢が莫大に多い、美容室雇用では…

だからこそ、弊社では循環型でよいと捉えています。

定期的に、新卒を雇用して、そのブランドでは店舗展開をせずに、
数年後に辞めたとしても、その分雇用ができれば良いと思っています。

それでも、全員が辞めるわけではありません。
残っていくスタッフがサロンの中心となって、
会社の価値観を継承していきます。

学生に憧れられるブランドを作り、
ブランド力で事業を展開し、
—————–
《one point→若い学生に憧れられるブランドだからこそ、
同世代の顧客層にも憧れられるブランドになる》
—————–
残すべき人財が会社に残れば良いと思います。

そして、中途雇用では、

転職希望の方の多くの悩みを、
解決させる職場環境を用意して、
高利益ベースのブランドで仕組みを作り、
再現性を持たせて横展開で拡大を目指します。

人を集める時は、ニーズごとに分けて集める

本日の話は、少し偏った見方に見えるかもしれませんが、
弊社での採用に対する考え方です。

そのように、一概に採用と言っても、
求職者の立ち位置によって、全くニーズは違います。

その辺りを、分けて考えていくことで、
どこのニーズを取りに行くのかと、
そこに対してどんな環境を作り
どんな採用戦略を練ることができるのか、

自店なりに、明確に見えてくると思います。

いかがでしょうか?
何かの参考にしていただければ嬉しいです。

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